これから投資を始める人にとって、投資信託は始めやすい投資だと思います。

仕事が忙しい人であれば、デイトレーダーのように平日の昼間に株のデイトレをすることは難しいですよね。

投資信託ならデイトレのようにパソコンの前に貼りついていなくていいので、忙しい人でも始めることが出来ます。

また、株に投資するのであれば、自分で銘柄を選定しなくてはいけません。株初心者の人にとっては難しいですし、銘柄選定を誤ると大きな損失になることもあります。

ですが、投資信託ならプロが運用してくれますので、自分で投資先を選ぶよりはリスクが少ないと思います。

ただし、銘柄選定の知識は必要ですし、運用の知識も身につけておかないとリスクが高くなってしまいます。

というのも、同じ銘柄に投資しているのに「利益が出ている人」と「損をしている人」がいます。

それはなぜかというと、「買うタイミング」「売るタイミング」「買い方」が違うだけで結果が大きく違ってくるからです。この辺りの知識は最低限必要ですし、投資信託の基礎も理解しておく必要があります。

この記事では、投資信託の基礎を詳しく解説していきます。

投資信託とは?ファンドと何が違うの?

ファンドという言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、ファンドとは簡潔に説明すると「多数の投資家から集めた資金を運用すること」を指します。

多数の投資家から集めた資金を株、債券、不動産などに投資します。なので、もし不動産に投資するような大きな資金がなかったとしても、多数の投資家から集めた資金をファンドがまとめて運用してくれるので、少額で投資することができます。

そして、投資信託も同じように、多数の投資家から集めた資金を運用しています。

なので、投資信託もファンドの一種に分類することができます。

では、投資信託は何が違うのかというと、投資信託は「行政の監督を受けた委託運用業者が運用している」ということです。行政の監督を受けているので、投資信託は厳正な管理の元で運用されていると言えます。

また投資信託は、その投資信託の詳細が書かれている「目論見書」が発行されています。目論見書には対象とする金融商品や運用方法などが記載されていますので、投資の知識を身につけて目論見書にしっかりと目を通せばリスクを把握することができます。

基準価額とは?

投資信託を選ぶときに、まず1番に目にするものは「基準価額」だと思います。そして、基準価額の推移も気になりますよね。

では、そもそも基準価額とはどういったものなのでしょうか?

基準価額は投資信託1万口の価額です。 ちなみに「きじゅんかがく」と読みます。

通常、投資信託は基準価額1万円でスタートしますので、スタート時は1口1円ということです。

例えば、基準価額が8,000円の場合は、1万口の価額が8,000円ということです。1口0.8円ということです。(8,000円÷10,000口=0.8円)

この投資信託を8万円分買えば、10万口買えます。

仮に基準価額が8000円の時に8万円分買って、その後、基準価額が8500円になったとすれば、保有している投資信託は85000円になるので5000円の含み益が出たということになります。ここで売れば5000円の利益になります。(手数料は考えないものとして)

これをキャピタルゲイン(売却益)といいます。

なので、基準価額が上がる可能性が高い投資信託に投資するということは重要なことです。

分配金について

投資信託には、分配金ない投資信託や、1年に1度分配金が出る投資信託、毎月分配金が出る投資信託があります。

毎月分配金が出る投資信託は「毎月分配型投資信託」と呼ばれています。

分配金は通常、1万口に対しての金額です。

例えば、基準価額が5,000円で、毎月の分配金が100円の場合、5,000円に対して100円の分配金が入るということです。

だから、基準価額5,000円の投資信託を5,000円分買った場合、毎月100円の分配金を受け取ることができます。

5万円分購入すれば、毎月1,000円の分配金を受け取れるということです。

この場合、月利は2%になります。年利だと24%ですね。

もし、100万円を単利(分配金を再投資せずに受け取った場合)で1年間運用すると24万円の分配金を受け取れることになります。

ただし、基準価額は変動するためトータルで24万円プラスになるとは限りません。

基準価額が購入時より上がっていれば24万円以上プラスになりますし、購入時より下がっていればトータルリターンは24万円より少なくなります。

※各手数料は含めてずに考えた場合ですので、実際には手数料分マイナスになります。

投資信託を購入した時の基準価額よりも基準価額が下がった場合はマイナスなのか?

例えば、基準価額が3,000円の時に投資信託を購入し、その3ヶ月後2,900円に基準価額が下がった場合、マイナスなのかというと、そうとは言えません。

毎月分配型の投資信託の場合は、毎月分配金が支払われますのでプラスになっている場合もあります。たとえば分配金が100円の投資信託の場合、3ヶ月間で300円の分配金が支払われることになるので、基準価額はマイナスですがトータルではプラスです。

これを「トータルリターン」と言います。

ですので、投資信託に投資する場合は、その辺り理解して置かなくては正しい判断はできません。

このように、分配金のように投資信託を保有していることで得られる利益のことを「インカムゲイン」といいます。

ちなみに、株の場合のインカムゲインは「配当」と呼ばれています。

投資信託にかかる手数料

投資信託には下記の手数料がかかります。

買付手数料(購入時手数料)

購入時にかかる手数料。無料の投資信託もあります。

信託報酬(運用管理費用)

投資信託を保有している間にかかる手数料。

信託財産留保額

投資信託を売却(解約)する時にかかる手数料。

このように投資信託に投資する場合、購入時、保有時、売却時に手数料がかかります。

買付手数料が無料の投資信託がありますが、無料か有料かの違いは結構大きいのでよく確認して銘柄を選定することが大切です。

例えば、買付手数料がかかる投資信託で、分配金より多くの手数料を払わなくてはいけない投資信託もあります。

例えば、基準価額1万円の投資信託を毎月3万円積み立てる場合、買付手数料が1.5%だとすると、450円の買付手数料がかかります(30000円×1.5%)

そして、その投資信託の分配金が10円だった場合、毎月30円の分配金を受け取ることができます。

しかし、買付手数料が450円のかかっているので、1ヶ月目は420円のマイナスです。

この場合、15ヶ月保有していると、買付手数料を分配金が上回ることになります。(30円×15ヶ月=450円)※他の手数料を含めなかった場合です。

このように手数料も頭に入れて考えなくてはいけません。

買付注文したらいつ約定されるのか?いつの基準価額で買えるのか?

買い注文を出すことで投資信託を購入することができますが、注文を出してもすぐに購入できるわけではありません。

約定日は投資信託によって違いますが、「買付注文を出した翌営業日」といったような感じで決められています。

「約定」とは、売買が成立することを言います。株の取引などでも使われている言葉ですね。

株の場合は、買い注文を出した株価で売りたい人がいれば約定します。だから株の場合は買い注文を出してすぐ購入できることもありますが、投資信託はすぐその価格で買うことはできません。

だから、買い注文した時の基準価額で買えるというわけではないんです。

買付注文をした日の基準価額で買える銘柄もありますが、注文日の翌日の基準価額とか、注文日の翌々日の基準価額で約定されるケースもあります。これは、投資信託を販売している証券会社のホームページや目論見書に書いてありますので確認してください。

ちなみに、SBI証券のホームページでは「約定日」というところに書いています。

楽天証券のホームページでは「申込価額」というところに書いてあります。

仮に、基準価額が5000円の時に買付注文したとしても、約定日が翌日の場合、翌日の基準価額が4900円になったとすれば、4900円が購入価格になります。

買うタイミングは?「安い時に多く買う」が基本

投資信託に限らず、株も不動産もビジネスも、「安く買って高く売る」基本です。

だから、安い時に多く買うことができれば、値上がりした時により多くの利益が出ますよね。

投資信託を購入した後に基準価額が下がれば、下がった時に新たに買い増しすることでトータルでの購入価格を安くすることができます。

例えば、基準価額が1万円の時に1万円分買ったとします。この時の平均取得単価は1万円です。(手数料は考えずに)

この場合1万口買えることになります。

そして、もし基準価額が5000円に下がってしまった場合、そこで新たに1万円分買い増しすれば、2万口買えることになります。(基準価額が半分になったので同じ金額で2倍買うことができる)

1万円で1万口購入した分と、5000円で2万口購入した分を合わせると、平均取得単価は6666円になります。

だから、基準価額が6666円を超えるとキャピタルゲインはプラスになります。

買い増ししなかった場合、1万円を超えないとキャピタルゲインはプラスにはなりません。

だから、「安い時に買う」ということがとても重要です。

しかし、投資信託で損をしてしまう人の多くは、基準価額が下がった時には買うことができません。なぜなら「もっと下がったらどうしよう…」と怖くなってしまうので、基準価額下がった時に買うことができないんです。

本来なら下がった時は「買い時」です。「安く買って高く売る」が基本なので。だから、安い時に買うことができれば利益を得ることができる可能性が高いということです。

でも多くの人は、安い時に買うのではなくて、「基準価額がもっと下がって、今以上に損失が増えるかもしれない」という恐怖で保有している分を売ってしまうのです。これでは、投資で利益を得ている人とは逆の行動です。

「安く買って高く売る」ことで利益を得ることができるのに、「高く買って安く売る」ということをしてしまっているのです。

だから、安く買って平均取得単価を有利にするには、1度にドカンと投資信託を買うのではなくて、分割して買っていきます。

1度に全ての資金をつぎ込んでしまうと、下がった時にマイナスになりまよね。

でも、例えば最初に10万円分買って、基準価額が下がった時にまた買って、さらに下がった時にまた買って…としていけば、安く買えた時の分を合わせると、平均取得単価を下げることができ、少し基準価額が上がっただけでプラスになることもあります。

「どこまで基準価額が下がるのか?」「どこで反発して上昇するのか?」はわからないので、1度にドカンと購入するは危険です。だから、分割して購入し平均取得単価を有利にしていくことが大切です。

まだ投資を始めたばかりの人や、これから投資を始める人にとっては、今話したことは少し理解するのが難しいかもしれませんが、投資する上ではとても重要なことなので、ここはしっかり理解するようにしてください。

初心者はドルコスト平均法で買うのがオススメ!

前項で「安い時に買うことが大切」「分割して買っていくことが大切」と言いましたが、初心者はドルコスト平均法がオススメです。

ドルコスト平均法とは、毎月一定額を購入する方法です。一定額なので毎月同じ金額分を購入するということです。

1ヶ月目に1万円。2ヶ月目も1万円。3ヶ月目も1万円といった感じに、毎月同じ金額分購入していきます。

そうすることでどうなるかというと、「基準価額が安い時に多く買えて、高い時には少なく買う」ということになります。

基準価額が1万円の時には1万口買えて、基準価額が5000円の時には2万口買えて、基準価額が2万円の時には5000口しか買えないということです。

このように基準価額が高い時には少ない口数しか買えないので、「高値で多く買ってしまう」というリスクを減らすことができます。

これがドルコスト平均法の基礎です。

だから、これから投資を始める人は、ドルコスト平均法で運用していくのがリスク少なくて良いと思います。

投資信託はどこで買えるの?

投資信託は、ネット証券で買えますし、証券会社の窓口や銀行でも買うことができます。

しかし、どこで買っても同じというわけではなくて手数料が違ったりします。

で、おすすめなのは「ネット証券」です。

なぜ、ネット証券がおすすめなのかというと「手数料が安い」からです。あとは大手ネット証券だと銘柄数が多いので選択肢も増えます。

ネット証券買うのであれば自分で銘柄を選んで、自分でネット証券のホームページから注文を出せば買うことができるので、販売者側からするとコストが少なくてすみますよね。

投資信託を買う上で「手数料が安い」というのは重要なことです。

手数料が高いと利回りが低くなるということですよね。だから、投資信託を買う時には手数料を把握しておく必要があります。

ネット証券で投資信託を買う場合、買付手数料が無料の銘柄もあります。

例えば、もし買付手数料が2%だと、100万円分投資信託をを購入すると2万円の手数料がかかるということです。だから買った時点で-2万円です。

証券会社の窓口で購入する場合、担当者に相談できますが、その分手数料は高くなります。だから自分で勉強してネット証券で買うのがおすすめです。

結局、自分で投資案件の良し悪しを判断できる知識を身につけることが大切なので、やはり自分で選ぶことは重要ですね。だから手数料の安いネット証券で買うのがいいと思います。

特にオススメな証券会社はSBI証券です。

投資信託の購入はSBI証券が超おすすめ!株もやってるなら特におすすめ。

私は投資信託を購入する時は、SBI証券をメインで使っています。

なぜ、SBI証券がオススメなのかというと、投資信託が信用取引の担保(代用有価証券)となるからです。

通常、現物株式を保有している場合、原則80%が信用取引の担保になります。

SBI証券の場合は、現物株式だけではなく、一般型および累投型の投資信託も信用取引の担保になるんです。

ということは、例えば50万円分の投資信託をSBI証券で購入したとします。すると、40万円(50万円の80%)が担保になります。その40万円分を担保に信用取引ができるんです。

通常、信用取引は約3倍の取引ができるので、40万円を担保にできると、約120万円分の信用取引ができることになります。

なので、資金を有効活用することができます。

投資信託を担保にできない証券会社で投資信託を購入した場合、投資信託を購入した50万円は有効活用できません。50万円を投資信託でしか運用できないんです。

しかし、SBI証券なら50万円を投資信託で運用できる上、株の信用取引でもその資金(80%)を活用できるんです。

ということは、50万円の資金で、50万円分の投資信託を購入でき、さらに約120万円分の信用取引もできるということです。

投資信託を信用取引の担保にできない証券会社で50万円分の投資信託を購入すると、120万円分の信用取引はできないので、その差はとても大きいです。

ですので、資金を有効活用したい場合は、投資信託を買う前に、信用取引の担保にできるかどうかを確認することをオススメします。